フィンランド学生生活1|-22度で迷子になった話

フィンランド--

起きてみると、なんかいつもと比べて少し寒いなあと感じた。

iphoneで天気情報を見てみるとなんとそこには-19度との画面が。

それはいくら暖房設備が整ったフィンランドでも寒いはずだと少し納得し、授業まであまり時間がなかったので急いで着替えて出発する。

外に出てみるとやはり寒い。その時なにかいつもと比べて首元がすうすうするなと思い、首元に目をやってみるとマフラーがない。

ただ取りに帰る時間もなく、どうせ外にいるのはバス待ってる間だけだから大丈夫と思い、バス停に向かった。

これが地獄の始まりだった。

バス停についてみるとやはり寒い。バスの時刻表を見てみると、次のバスが27分後だった。

これは辛いと思い、着いた後少し歩くことになるけれど寒いからと、いつもは乗らないバスに乗り、後に歩こうと決めた。

バスの車内はとてもあったかく、全身から寒さで気張っていた感じが抜けていくのを感じる。

ようようとYoutubeでお気に入りの音楽を聞いていると、左に曲がるはずの場所をバスが直進していったことに気がついた。

おかしいなと思い、Google mapで確認してみると、やはり学校の方ではないほうにぐんぐんとバスが進んでいる。

これはマズイと思い、すぐさま"Stop"のボタンを押して、次の停留所で降りた。Google mapで調べてみると、徒歩30分との表示。

やっちまったと思ったが、幸いちょうど授業の始まる数分前には着きそうだと、少しの幸せをかみしめて歩き始めた。

少し歩き、google mapを再確認する。その時充電が切れてしまった。

なんてことだ、と思ったがまだこの時点では焦ってはいなかった、なぜなら持ち運び式の充電器を持っていたからだ。

その時すぐには充電せず、もう次に進む道がわからなくなりそうだというところの少し手前でその充電器を取り出して、充電し始めた。

そこは誰も通らないような、木々に囲まれていて若干物騒な道だった。

交差点とも言えぬ、交差点にぶつかり、もうそろそろ充電できただろうと思い、携帯を出してみるとなぜか携帯が充電されていない。

おかしいなと思い、もう一度携帯の充電器を抜いてさしてみる。

ここで突如ものすごい恐怖に襲われることになる。

何があったかというと、寒さのあまりその充電器が動かなくなっていたのだ。

これに気づいた瞬間全てが絶望に変わった。

なんせバスに降りた後、一人も見かけていない、その上今自分がどこにいるのか全くわからない。

ただ立ち止まっているわけにもいかないので、歩き進める。

携帯の助けを借りることができないと気づいた後から気温が一層低くなった気がした。

外国の全く見知らぬ土地の全く見たこともない道を-19度の中必死に歩き続ける。

顔はヒリヒリしすぎてもうよくわからない。

いつ着くのかわからない恐怖の中永遠とまっすぐ進んだ。

1時間以上歩き続けたところで、見たことのある番号のバスを見つけて、ようやくホッとした。

しかし道のりは長くそこからもう30分ほど歩き、そこでやっとキャンパスが見えて来た。

たどり着いた時にはもう顔が痛く、安堵からか涙が流れそうになった。

寒さに体力は吸い取られ、身体はかなり疲弊していた。

結局授業には大遅刻だった。

人生は本当にいつ何があるかわからない。

だから面白いのだと思う。

 

Posted by cabc-1234